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電波男 本田透・著

読書

まあ面白かったですな。
普段ぼんやりと思っていたこと(DQNによる女の寡占化が起こってるとか)を強力にして述べてくれたという感じ。
ただ、残念ながら所詮は妄想にすぎないのだが。
あかほりシステムとかいうのも僕のような非モテにとっては良い自虐ネタではあるが、根拠がないわけだし(女に集まった金は本当にイケメンに行くのか?とか)。
それでは宗教が「はい天国と地獄があるんですよ〜」と何の根拠もなしに述べて「ありがたや」と拝するのと同じである。
いや別に悪いと言ってるわけではない。






あと、最後のほうの「オタクが社会に認知されて世界が萌えで満ち溢れる」というくだりには疑問を持った。
p376で、

こんなどうしようもない負け犬がオタク界に参入するには、どうすればいいんだろう
(中略)
単に歳上というだけでは「萌えないゴミ」と断じられるのがオタク界の厳しさ。

と述べているが、これでは、今まで恋愛資本主義でキモメンが受けてきたこととまるっきり逆のことを負け犬に仕返ししてるだけではないか。
顔によるヒエラルキーが萌えのヒエラルキーにとって代わってるだけではないか。
これでは、平等な社会を説きながら結局独裁によってしか存続できなかった共産主義と同じようなものである。
萌え世界では誰もが自由にパラメータを変更でき、誰でも愛を得られるのではなかったのか?




結局、この矛盾の原因は、萌えによる関係を三次元世界へ敷衍しようとしたことにあるように思える。
なぜなら三次元世界は肉体に縛られていて、人は老いるし、醜い人もいるから。
だいたい、最終章における三次元世界の話は、これまで二次元のすばらしさをひたすら説いてきた作者にしては唐突である。
結局、二次元に萌えるしかない、ということになるだろうか?




さて、よくある批判に、脳内恋愛は一方通行的なものであって、真の愛情とはいえないのではないか、というものがある。
まあ僕のそれに対する反応は「ていうか真の愛情とか知らねえ……」であるが。
だいたい、一方的な愛は愛ではないというのは根拠があるのか?
それがオナニーに見える行為だからといって却下する理由にはならない。
「自分勝手である」というが、自分勝手でなぜ悪いかといえば、自分勝手では他者との関係をうまく築けないからであって、すでに自己完結している脳内恋愛が自分勝手であるのは当たり前である。
何ら非難するに値しないように思われるが。
とまあ反論が来る前に来るべき反論を妄想して反論の反論を書いてるわけだが。






さて、そろそろこのへんで自分の立ち位置を考えければいけない。
世の中もこの本もそもそも愛は必要なのだという前提に立ってるような気がするが、本当にそうなのか?
少なくとも恋愛ということに関してはこの18年間まったく無縁に生きてきたし、脳内にも誰も住んでないけど、(受験で多少情緒不安定になってるとはいえ)普通に暮らしていますよ?
うん、これだな。
別に恋愛とかなくても生きていけるよ。
ていうかしたくないしめんどくさい。
それって種々のメディアとかで刷り込まれた幻想じゃないの?
まあ、萌えとかそっち方向についてはわりと享受したいつもりだけどね。
でも脳内妻とかは無理。
そこまで妄想力発達してないから。
まあ僕の立ち位置はそのへんで行こうと思います。
万が一(まあ先日の日記へのリンクやコメントを見る限り、大学行ってもキモメンには"絶対"無理らしいが)告白されても基本断る方向で。
ええ。
はい。
じゃあよろしくお願いします。








この日記わりと電波男を批判してるっぽいけど、恋愛は死んだ!と喝破し、恋愛資本主義の構造を大胆に見破り、新たな生き方を提示したということにおいては評価しているのですよ。
といかにもつけたしっぽいけど。
モテない人はわりと面白く読めると思いますよ。




この続編(?)の電波大戦では、滝本竜彦との対談があるとか。
いったいどんなことを滝本は言うのか、読んでみたい。






【追記】
サンプル数が少ないからなんとも言えないけど、
女はオタクだろうがギャルだろうが腐女子だろうがDQNだろうが関係なく恋愛資本主義に首までどっぷり漬かっていて、それに参加してない人を人間と思ってない人が多いように僕には思えます……やっぱり恐ろしいので恋愛なんて絶対しません、と決意を新たに。