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ようやく

ライフゲイムの宇宙

ライフゲイムの宇宙

を読了。


すごい本です。
みなさんも死ぬ前に絶対読んでください。
なんかはてなに多く棲息しているプログラマっぽい人種(よく知らんけど)のための本ではありません。てかプログラミングとか関係ありません。
ああ、そう勘違いされるような、あまりに酷いタイトルの和訳……(原題は"The recursive universe")
この本について語っているはてなの日記をいろいろ読んでみましたが、誰も正しくこの本の価値をappreciateしていないように見えます。
まあ、これは僕の(若さゆえの?)傲慢さゆえの誤った認識かもしれないので一応保留しておきますが、少しでも理性的に生きようと思う人ならば必ず自分で読んでいただきたい。


第3章マクスウェルのデモン
では、マクスウェルのデモンは不確定性原理に関係なく存在できないことがわかります。
第5章情報とその構造
では、バベルの図書館と普通の図書館の違いがわかります。
第11章フォンノイマンの自己再製機械
では、自己再製機械がどのようにパラドックスを回避しているのか、そして、情報理論的な生命の定義が述べられます。
第12章ライフゲイムの自己再製パターン
では、ライフゲーム上で自己再製物体が存在する(!)ことが示されます。
そして、ライフゲーム上に生命、さらには知的生命が誕生するかもしれない(っつーか、『するだろう』に思える)ということが語られます。
第13章再帰的な宇宙
では、神の行った創造が実は簡単だったことがわかります。


いやそんなことこんな本読まなくても知ってるよ、常識だろ、と思われるかもしれませんが、
生命が、単純な物質を原材料として、気の遠くなるような試行の果てに、適者生存という結果として複雑なものが進化してきたというのはもちろん常識ですけれども、現実に観察できる生命は、もっとも単純なものでも単細胞生物とかで、複雑すぎる(タンパク質と単細胞生物の中間レベルの物質があんまない)のと、現実の物理現象が複雑すぎるのとで、完全に物理法則と単純な材料だけから複雑な生命が生まれてきたというのが見えにくくなっており、なんとなく曖昧な理解になってしまっている面があると思うんですよね。
少なくとも僕はそうでした。


ところが、ライフゲームという十分に単純な物理法則に支配されたモデルの中ですら自己再製物体が存在しえることを示されると、その「単純なものから複雑なものが生まれる」というポイントがくっきりと見え、実感を持って理解されるんですよね。
ということで、一読をお薦めします。




それにしても、フォンノイマンは比喩ではなく神ですか?
現実の生命にも当てはまり、ライフゲーム上でも構成可能な、(ということで、ある程度の一般性を持つと考えられる)自己再製物体のモデルを示したとか神過ぎるだろ、常識的に考えて……