kuinige氏がブログでttp://homepage2.nifty.com/eman/がすばらしいみたいなことを言ってたのでそれに対するレス。
長くなるのでこちらに書きますよ。


前「このブログいい」とか言ってきた人が紹介してたのがいかにも電波系だったと言って馬鹿にしてたけど、このサイトも十分電波じゃないか。


例えば、力学の「エネルギーの交換について考える」のところに

接触して力を伝える時にはエネルギー保存が簡単に言える


 前に定義したように、何かに対して仕事をするということは、 他の物体に力をかけて動かすということである。  その動いた距離とかけた力を掛け合わせたものが「仕事」である。


 ところで力には「作用・反作用の法則」という性質がある。  ある物体に力をかけると必ず同じ大きさの反対向きの力を受ける、というものである。  したがってある物体に仕事をする時には必ず、相手にかけた力と同じ 大きさで反対向きの力を受けるのであって、接触して押す場合にはその間に 自分と相手が動く距離も同じであると近似できる。
 つまり、ある物体に触れてエネルギーを与えれば、 同じ大きさの負のエネルギーを相手からもらうことになるのである。  これは自分の減った分のエネルギーが相手にそのまま移ったと見ることが出来る。  このような場合にはエネルギー保存が当然のように成り立っているのである。

とあるが、この記述の嘘は高校生でもわかるぞ。


まず「接触して押す場合にはその間に 自分と相手が動く距離も同じであると近似できる。」とあるが、根拠が無い。近似できない。


で、この人は、その「同じ距離を動く」という嘘の仮定を根拠に、「つまり、ある物体に触れてエネルギーを与えれば、 同じ大きさの負のエネルギーを相手からもらうことになるのである」という記述をしている。
まあここのつながりもよくわからないが、多分この人の頭の中では、例えば物体Aが物体Bに力Fを与えるとき、
AはBから-Fの力を受けるので、「同じ距離xを動くことから」、
Bが「もらうエネルギー」はFxでAが「もらうエネルギー」は-Fx
とか思ってるのだと思われる。


しかし、まあ「同じ距離を動く」という仮定が仮に正しかったとして、正しくは、
BがAから「受ける仕事」はFx、AがBから「受ける仕事」は(-F)*(-x)=Fx(つまり動く方向も逆なので-がつく)
とすべきだろう。


これの誤りは同じく力学の「運動量とエネルギーの比較」に書いてある

エネルギー保存則は、  運動量が0の状態の2つの物体がお互いを突き飛ばすことによって それぞれが運動量を持つようになることを禁止しているようだ。

という誤謬と関連しているように思われる。


たとえばスケート場で向かい合って静止してる2人がお互いに相手を突き飛ばすことで離れていくことを考えれば、「エネルギー保存則は〜禁止しているようだ」の誤りは簡単にわかる。
この人の頭の中では、「このスケート場の例はエネルギー保存則に反しているなーなんでだろー」と考えて、先ほどのような負のエネルギーをもらうとかいう怪しげな説を思いついたのだろうと思う。
実際は、「突き飛ばす」ことは体内の化学エネルギーを筋肉の運動エネルギーに変換することなので、エネルギー保存則には反しないのだが。




僕だってまだ高校範囲しか学んでないので、ちゃんとした反論はできないけれども、少なくとも、そのような怪しげなサイトを信用しないで、勉強するならちゃんとした本でした方がいいと思うよ。
ていうかそのサイトの作者物理の修士なのか……
あと「物理と関係ない話」参照(特に一番下)。