白い花の舞い散る時間 友桐夏・著

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

ネタバレを含むため「続きを読む」以降に書く。
ミステリとしては微妙な気がする。
少女が集まりました、実はこうでした、と単に説明されただけという感が強く、謎解きの爽快感がない。
それがなぜなのか考えてみたが、魅力的な謎がないからのように思われる。
彼女たちは何かの意図によって集められたのか、19年前の事件の真相は何なのか、不審者は誰で目的は何なのか、誰がどのハンドルネームに対応するのか、といったところが作中で提示される謎であるが、一つ目と二つ目の謎は推理不可能でただ説明を聞くだけだし、三つ目の謎は誰も襲われるわけでもなく緊迫感に欠けるし、最後の謎は結局なんだかどうでもいいまま、極めて普通な解答が与えられるだけである。
ただミステリとして見なければ結構面白かったね。
それぞれの少女の表の顔と裏の顔の落差とか。
特に深月の。
というか、結局黒いのは深月だけか。
ひぐらしみたいな感じはある。
宵子の特異な霊感に近い能力とか深月の戯言遣い(あるいは京極堂の逆)的な能力とかそういう一種の特殊能力も燃え。

【追記】
続きを読む記法ってその日の日記に直接アクセスすると意味ないのね。
まあいいや。
あとこの本はほめてる人が結構多いみたい。
人と違うことを言うのは好きなので別にいいのだが……ミステリに対する感受性が鈍ってるわけではないよなあ。
ドグラマグラもつまらなかったし。