スコーンをおいしく食べる法

それは、クロテッドクリームをたっぷり塗るということに尽きる。
いや、「塗る」というのは適切でない。
乗せるのだ。


なぜスコーン単体でも十分ほのかに甘くておいしいのに、クロテッドクリームを乗せるのか。
それは、クリームがおいしいから。
おいしいものをおいしいものに乗せたらうれしいから、そういう単純な理由。

この点、日本人にはもしかしたら思い違いがあるかもしれない。
トーストに塗るバター、野菜を炒めるときにフライパンに引く油、いずれも、なんとなく「滑りを良くするため」とか、なんとなくutilityのために必要に迫られて塗るもの、というような意識ではいないだろうか。
加えて、健康への意識から、なるべく少量で済ませようとしていないだろうか。
少なくとも僕はそうだった。
しかし、あえて言わせていただきたい、世界の趨勢は違うね。(出羽守)
世界の人は、油はおいしいから塗ったりつけたりしているのだ!

この点、もこみちがテレビ番組のお料理コーナーで「ここでオリーブオイルをひとふり」的なことをずーっと言っていても、
日本語インターネットでは「でたwなんでもオリーブオイルかよw」と嘲笑され続けていたことに日本人の理解のなさが現れている。
油はおいしいからつける・かけるのだ。
オリーブオイルなんて美味しいの極みだからなんでもかけていい。
油は調味料なのだ。

僕はこのことを私淑する落合務先生の著書で学んだ。
『「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ』のスパゲティ・アラビアータの工程10には

オリーブオイルはうまみ調味料。

とある。


さてスコーンに戻るが、クロテッドクリームはおいしい。あきらかにおいしい。
なので調味料としてスコーンにもたっぷり乗せると、少しパサつきもあるスコーンと口の中で混ざり合って
えも言われぬもったりしたうまみを生じる。
ということで「え?こんなに乗せるの?」というくらいたっぷり乗せましょう。
大丈夫、クリームティーを注文するとスコーンたったの1個か2個に対し、ロダスのクロテッドクリーム1パックがまるごとついてくる。
スコーンと同じ体積のクロテッドクリームを乗せるというイメージでいい。

さて、ここまでジャムの話が出てこなかったが、スコーンに添加するものとしては、僕はジャムは補助でしかないと思っている。
なのでちょびっとでいい。
また、舌に直接当たるのはジャムではなくクロテッドクリームであるべきなので、
デヴォン式かコーンウォール式かという論争について、僕は断然コーンウォール式を支持する。
crea.bunshun.jp
(なお、故エリザベス2世もコーンウォール式だったと言われている。)
www.express.co.uk
ただ、適切な量のジャムを乗せた場合、うまみが倍加するとは言わせていただきたい。

ということで、結論としては、クロテッドクリームをたっぷりつけろ、ということでございました。