というわけでhttp://d.hatena.ne.jp/four_seasons/20061021で思いついた、長門の100冊を読む企画の第1回です。


ウロボロスの偽書 (講談社ノベルス)

ウロボロスの偽書 (講談社ノベルス)

つまらなかった。
もっと眩暈がするような作品かと思った。
それこそ「著者のことば」に書かれたとおり、「読み終わったとき、いつのまにかまわりの世界がすり替わってしまっているような、そんな不思議な話」を期待していたのだが。
例の本物と偽者の「竹本の章」が出てきてお互いに自分が本物だと主張しあうあたりはよかったのだが、連載第十三回とかそれまでの本物・偽者論争はほとんど生かされないでただ突飛な感じ(シャム双生児とか)がするばかり。
ラストシーンとか「はいはい小文字の作者小文字の作者」くらいの感じだし。
風呂敷を広げすぎて収拾しきれなくなったようにも見える。
もっと面白くなりえたかもしれないだけに残念。


まあこれはどうでもいいけど、数学・物理学議論はあまり好きではない。
やっぱり専門家でもないのに議論しようとすると、誤った認識の下に雰囲気で議論してしまったりしがちだから。