世間に物申す

とにかくブログに書くことがないんだよね。
僕がかつてこのはてなダイアリーに書いていたことで、少しでも読み応えのある分量を持つものは、「〜があるけど、それは如何なものか」みたいな感じで「世間に物申す!」系のエントリが多かったように思います。
どういうものか、と言うのは、(あまり見て欲しくないのですが)例えばhttp://d.hatena.ne.jp/four_seasons/20060308等を見ていただければ分かると思いますが。


まあ世の人がブログに書くようなことはそういうことが多いので、まあブログとはそんなもんだと言えばそうなのですが、そういうのは所詮は、僕が自分の今までの乏しい読書量とテレビと教育とその他もろもろの人生経験によって得た知識と考え方によってひねり出したものなんですよね。
所詮は一介の学生の浅知恵というか。
「はいはいよくおもいつきまちたでちゅね〜」くらいのね。


しかし世の中には学問というものがあるわけで。


世の中には多種多様なことがらがあるけれども、どんなことについても、それについて真剣に悩んだ人が今までたくさんいて、その成果が積み重ねられてるわけですよ。そのはず。
たとえばさっき挙げたhttp://d.hatena.ne.jp/four_seasons/20060308についても、ジェンダーについての議論はもうこれでもか、と積み重ねられているわけですよ。


それというものがありながら、その蓄積を少しも学ばすに、my own witのみで何か意見を述べようというのはもう、これは暴挙に近いようなことのように感じます。
これは個人的な感想ですが(と予防線を張る)、ブログによってそのような一介の素人の意見が簡単に発信できるようになりましたが、ともすれば無知な言論がはびこってしまう危険があるように感じます。


というわけで、僕も少し前までかなり堂々と「物申す」をやっていたのですが、最近はあまりやる気がしません。
物申すには物を知らなすぎると思います。
できれば、物申すならば参考文献としていくつかの本を挙げられるくらいの事柄について物申したいものです。




僕の好きなある作家もそのような「物申す」的なことがらをブログによく書いていますが、「この人は歴史的な思想や議論を踏まえているのだろうか」と少々不安になります。


理系で文系の人のことを「数学ができない」と馬鹿にしている人が時々いますが、*1が、文系の人で理系の人を「思想を知らない」と馬鹿にしている人も結構いるのではないでしょうか。
理系の人は結構論理的な思考に自信を持っている人が多いので、先人の思想をよく踏まえずに「物申す」をやっているような人も多いように思われるからです。

*1:もちろん文系できちんと数学を理解されている方も大勢いると思います。ここでは馬鹿にしているわけではなく、ただ、一部の理系の人が思っていると思われることを述べているだけです。不快に思われた方がいればごめんなさい。