大学の生協の食堂の下膳場*1は、自分で食器を簡単に洗うために水道の蛇口が設置されている。
それで食べ残しやら、食器についたソースやらを洗い流してから、食器を食堂のおばちゃん*2に預けるのである。
先ほど「水道の蛇口」といったが、水を出すためにひねるノブがついているわけではない。
なんだかその蛇口に近づくと水が出はじめるのだ。
それで僕は、漠然と、「不定時に水が流れてるのかなー」くらいに思っていたのだ。


しかしこの間クラスメイトと食事した後、下膳する際に彼はこう言ったのだ。
「これって赤外線センサーか何かなのかな」と。


僕は愕然としたのだった。
水が何らかの法則にしたがって出ているなどとはまったく思いつきもしなかったからだ。
たとえて言うなら、いちばん近くにあるコンビニまで行くにはいったん国道に出て隣町まで行かないといけないような田舎にあるおばあちゃんの家に遊びに行ったらWinnyphotoshopをダウンロードしている最中だったかのような驚きである。
そこまでではないが、とにかく水道に何らかの仕掛けがされているとは思わなかったのだ。


その後よくよく観察してみた結果、下膳場の足元に敷かれているマットにセンサーが仕込まれていて、そのマットを踏むと水道から水が出るということがわかった*3


このことから思ったのは、実際にはそこに何らかの法則性があったとしても、それに気づかない馬鹿にとっては、それは周りの色と同化してしまって、何も存在しないと等しいのだ、ということであった。
やはり無知というものは恐ろしい。

*1:下膳とは食器を片付けるの意。広辞苑等の辞書には載ってない。誤用なのだろうか

*2:「セールスマン」の如き性差別表現か?

*3:これ案外気づいてる人少ないんじゃなかろうか。まあ一瞬で気づく人もいるだろうけど