operateとsort

英語の語法について気づいたことを紹介していきたい。

「泥棒」営業中

観光地とかでよく見る看板

Thieves known to operate in this area.

結構決まり文句となっている。
operateが使われるのが面白い。
ODEにはcontrol the functioning of (a machine, process, or system)とある。
何かシステマティックなもの、業務的なものに使われることが多い(e.g. this company operates many factories)と思うが、

仮説1

泥棒という職業の人がその業務を行う的なニュアンスだろうか?

仮説2

あるいは、泥棒は我々一般市民からすると「遠い」存在、異質な存在である。
そういう心理的距離が遠い存在は、何か非人間的、または「機械的」に動いているように感じられるから、operateが使われるのだろうか?

sorted out

我らが愛すべきTube(ロンドン市営地下鉄)に乗る人であれば毎日耳にタコができるほど聞かされている文句が

see it, say it , sorted

である。
要するに、テロ警戒のため、見慣れないものを見かけたら通報してください、という呼びかけなのだが、
注目して欲しいのは"sorted"である。
カエサルの「来た、見た、勝った」に引っ掛けるために、頭韻を踏む必要があったということも当然あるが、イギリス英語では"sort out"を「解決する」の意味でよく使うと思う。separable("sort something out"と言える)。
原義は(sort単独でもsort outでも)「整理する」。
"sort out"の方がよく使う気がするが、sort単独でも「解決する」の意味になる模様。
「順番に並べる」の意味の「ソートする」ではないので注意!
特定の業界で、「整理」が(「論点整理」から転じて?)「(公式・非公式の)見解、建前、解釈」という意味になる(e.g. 「我々の整理では、それは〜ということになっている」)のと少し似ているか。

このメッセージが録音されたテープだと、テロ対策なので当然自信ありげに、
See it. Say it. Sorted.
とはっきり言い切ってる感じで言いきっているのに対し、
人間がリアルタイムで読み上げるアナウンスの中で読み上げてるときは、
やはり生きている人間なので、
「"sorted"とか言うけどさー、そんな爆発物かもしれないものを我々だけで解決できるかよ……
はーあ、そんな変なものの対処させられたくね〜〜〜」
という気持ちがどうしても現れてしまうからか、なんとなく逃げるように
see it, say it, sorted
と「決まり文句なのでしかたなく読んでますよー」という雰囲気を出して読んでいるのが面白い。